東御市 / 大塚歯科医院
PRO USECLINIC
100年の歴史を刻み続ける まちの歯医者さん
まちの風景に美しく馴染む大塚歯科医院。片流れの大きな屋根とシンプルでナチュラルな外観、柔らかく落ち着いた雰囲気は、少々近寄りがたい歯科医院のイメージをいい意味で覆しています。
施主である医師とアクロスホームのスタッフが
一丸となって挑んだ診療所建設。
地域の人たちに最新の医療を提供するため、
ワンチームの強い絆で
初めてのケースと格闘しました。
「院醫科齒塚大……?」
その建物の入り口には、右から左へ連なるレトロなサインが掲げられていました。
ここは東御市に新設された「大塚歯科医院」。地域に根付いたまちの歯医者さんとして約100年の歴史をもつ歯科医院です。100年前といえば大正の時代。ロマン薫る旧字のロゴは、一世紀の歳月を地域とともに生きてきた証です。
現在のオーナーは4代目を継いだ若き院長の大塚傑さん。設備の老朽化に伴い診療所の新築を検討していた時、知人の紹介でアクロスホームを知りました。初めて小島展示場のLOAFERモデルハウスを見た時、「建物のアメリカンっぽい感じとか、古さと新しさが共存したテイストがいいなと思って」と、なんとその場で契約を決断したと言います。
「でもね……」と傑先生。「いちばんの決め手は建物じゃなくて、人だったんですよ。荒井さんはじめスタッフの人柄が本当によくって。ここなら安心していい建物がつくれると思ったんです」
バランスのとれた美しい外観。窓の配置は内外の双方から見て美しいように考え抜かれている。
地元に寄り添って100年の大塚歯科医院とスタッフの皆さん。働く人にとっての快適な環境づくりが、患者さんの安心と信頼につながっていく。
できるだけシンプルに、清潔感を大切にして設計された院内には、個室感覚で治療が受けられる6つの診察室がゆったり並ぶ。床は土足にも耐える強度の素材を、壁には水や汚れにも強い素材を選んでいる。
作業効率の良さが、良い医療につながると思うから
とはいえLOAFERはごく普通の一般向け住宅。よくある診療所とは、イメージが違うのでは?
「新しい建物は、〝いかにも診療所です〟って感じではなくて、普通の家のように温かくて親しみやすいイメージにしたかったんです」と傑先生。
「その代わりアクロスホームさんは大変だったと思いますよ。診療所の建築には法規や設備機器などについての幅広い知識が求められますから。でもみなさん本当に熱心に勉強してくださって……。最後の方は僕よりも知識が豊富だったんじゃないかな(笑)」
アクロスホームはこうした難しい対応に加え、当然のことながら建物としての完成度も高めていくことになります。中でも動線と収納については細かな配慮をしたとか。
「患者さんやスタッフ同士の動線が交わらないように設計しました。動線に不具合があれば、作業に支障が出ます。逆に作業効率が上がれば、患者さんをお待たせする時間が減り、ストレス軽減につながります」と営業担当の荒井博史さん。
さらに棚一つとっても、配置から各々の段の内寸に至るまで、スタッフの動きやしまいたいもののサイズを一つひとつ確認しながら、ミリ単位で調整していったそうです。
「僕がいろいろと要望を出すものだから、打ち合わせが毎回尋常じゃないほど長くって。それでも最初からムリですとか言わず、次の打ち合わせにはちゃんとそれに対する答えを提案してくれる。それと、いいことだけでなく予算的に難しいなど、悪いところもちゃんと伝えてくれたのも信頼できましたね」と傑先生。「オープンして3ヶ月経ちますが、ビックリするくらい不満なところがないんですよ。チーム一丸となって取り組んだ強い連帯感のおかげですね」
オーナーとアクロスホームの思いが細部にまで息づいている大塚歯科医院。チーム全員の願いとともに、次代へと引き継がれていくに違いありません。 (設計士:堀内健太 インテリアコーディネーター:堀内憲司)
特別にスペースを広くとった診察室。保護者や介添人も一緒に入室できるので、小さなお子さんや介助を必要とする人も安心して診察が受けられる。
スペースをゆったりととった受付と待合室。患者さんの様子に目が行き届くように、カウンターを少し張り出したレイアウトにしている。ちなみにテレビを受付の上に設置することで、患者さんの視線が自然と受付に向くよう計算されている。
医療機器や器具の滅菌、パッケージング作業など、院内で最も重要な作業を行なう滅菌スペース。奥には歯科技工士専用スペースもある。働く人が動きやすいようミリ単位での調整が行なわれた。
車椅子でも楽に使用できる広々とした洗面トイレ。
幅を広くとった待ち合いスペース。清掃作業の負担を軽減するためベンチには脚をつくらず、L字アングルで支え宙に浮かせた。壁に厚みをもたせてL字アングルを載せ、荷重を受け止める工夫をしている。
CT室。冷たく無機質な室内の圧迫感を少しでもやわらげようと、天井には雲の壁紙を採用している。
同じ区画にある旧医院。大正ロマン薫るレトロなサインは、そのまま新しい医院へと引き継がれている。
現在の医院。地域に根付いた歯科医院として、また1つ新たな歴史を紡ぐ。